会津東山温泉 向瀧

向瀧は、143年の歴史を持ち、国の登録有形文化財に指定されている日本有数の旅館です。

旅館業として江戸時代からの伝統を持つ向瀧では、旅館を経営していく上で利益を重視するのではなく、お客様のことを第一に考える「おもてなし」文化を尊重しています。

向瀧には、「会社の利益のためではなく、お客様の思い出のために」を重視する風土があり、上司が部下に指図して動かすのではなく、一人一人の判断でお客様へのサービスが成り立っています。この結果、社員による接客は細かな所まで行き届いており、何世代にわたってお客様が利用してくださるなどお客様の満足度は高くなっています。

また、昔ながらの伝統を重視している一方で、昔ながらの旅館に新しい風を創ることで他の旅館の平均年齢が62.8歳と比較的高齢にも関わらず、向瀧は27.2歳と「若者」を中心にすることに成功しました。

向瀧は今後も、さらなる発展を目指し、UIターンを希望する学生の採用を率先して行っていく方針です。「おもてなし」の文化を尊重し実践した結果、社員の大多数が、「前より自分を好きになれた」と答えており、お客様への接客を通して、自身の成長へとつなげたいと考えている学生を求めています。

向瀧では、旅館情報をお客様にできるだけ多く伝えるため、旅行代理店への依存から自立し、自社HPを通したプロモーションを行っています。そして、営業・集客ノルマを無くすことで、社員一人一人がお客様へ提供するサービスの質の向上に集中できる環境を作っています。こうした抜本的な経営改革を行うことで、社員が会社に判断を仰ぐのではなく、社員が能動的に考えお客様に貢献する風土ができあがりました。

更に、今までの旅館業では難しいと言われている産休明けに働くことができる環境作りや、シーズン期間での有給消費などにも果敢に挑戦しています。向瀧は、古き良き伝統を尊重しつつ、社員が働きやすい環境作りのために、新しいものを取り入れています。

今回、おかみの平田真智子さんにインタビューさせていただきました。

インタビューのなかで印象に残ったのは、お客様を大切にする気持ちがとても強かったということです。向瀧には「おかみや客室担当が良い対応をしてお客様に満足していただくことによって、満足されたお客様が友人や知人に向瀧を宣伝してくれる」という考えがあります。この考え方を実現するために、例えばお客様に提供する刺身の盛り付けが良くなかった時は上司に相談することなく自分の判断で作り直すように料理人さんにお願いすることができるなど、利益よりもお客様の満足度を目指しています。

このインタビューを通して、向瀧は「客様の笑顔のために頑張りたい！！」という学生にオススメだと感じました。